4月10日の衆議院総務委員会。昨今のTVニュースの誤報や、暫定税率切れの悪影響について質した欲しいとの、伊吹幹事長からの要請で質問に立つ。各都道府県においては、軽油等の暫定税率の税収や暫定税率を前提とした国からの補助金を内容とした予算案について、ほとんどの民主党議員が賛成している(共産・社民は反対)。国と地方で、民主党の党としての意思決定が分裂状態であることを指摘した。また、暫定税率切れにより、地方の予算執行が滞っている現状を紹介、民主党の審議サボタージュが、構造不況と言われる建設業の倒産・夜逃げを促すこととなる現実も指摘。
4月3日の「国土交通省所管の公益法人等の改革に関するプロジェクトチーム」。「天下り先」の公益法人が、税金からの発注事業で「甘い汁」を吸っているといった批判があるようでは、ガソリン税などの負担を国民にお願いできない。このため、自公両党それぞれ4~5名ずつの限定メンバーを募り、3月中、道路特別会計から公金から支出されている50公益法人からのヒアリングを7回にわたり実施(右端が葉梨)。この日、今後はその支出を半減以上に縮減しするなどの結論をまとめ、国土交通省に申し入れた。
3月27日は、「配合飼料高騰対策プロジェクトチーム」の初会合(私が座長)。近年トウモロコシ等の国際相場が暴騰。わが国の家畜のエサとなる配合飼料の原料は、ほとんどが輸入穀物のため、当然その価格も高騰、畜産農家の経営を圧迫している。でも、その対策は、民主党のように、国民の税金を無原則にバラマケば良いというものではない。国民の税金を、いかに「生かし」、しかも「目に見える」支援策としていくか、知恵を絞っていくことが必要だ。その意味でもこのPTは、マスコミ、農業者の関心が高い。写真の手前の頭は新聞記者。
3月18日は、東京都内で、東京、水戸、選挙区内などから、約600人の私の支援者が集い、「葉梨康弘君の活躍を期する会」。物心両面のご支援に、感謝で一杯だ。当日は、来賓として、伊吹幹事長、古賀選対委員長、大島国対委員長、武部元幹事長、舛添厚労相、岸田特命相、上川少子化相、逢沢予算委員長、中山憲法審議会長らの出席を賜り、日頃の私の国会での活動等を紹介して頂く。乾杯は、鶴田元日経新聞社長(私の東京後援会長)の音頭、国家国民のため良い仕事をすることと、次期総選挙の勝利を期し、皆で誓いの杯をあげる。
よくある誤解第9条「『道路特定財源』という『道路色』のお金があるから、必要もない道路が作られる」
これは、一見もっともらしい理屈だが、「道路特定財源の税収額」イコール「道路投資額」である場合は、あるいは成り立ち得るかも知れないが、現状のやりくりを考えると、誤解に類するものだ。
すなわち、平成19年度中の「道路特定財源」の税収総額は約5.6兆円だったが、「必要な道路」を作るにはとても足りず、この年、国費・地方費の道路投資総額は約6.8兆円と、約1.2兆円の一般財源(地方交付税、国公債等)由来のお金を投入せざるを得なかったという現場の状況が忘れられている。
仮に今、「道路特定財源」の税収のうち暫定税率分2.6兆円の歳入欠陥が生じたらどうなるか。
今でも一般財源から1.2兆円をたしているのだから、これをさらに増額(他の支出を引っ込めて)せざるを得なくなるということだ。そもそも、3回前のコラムでも指摘したが、民主党の政策は、暫定税率廃止(2.6兆欠損)、高速道路無料化(2.5兆欠損)、最低賃金大幅上げ(1.4兆支出増)、高所得世帯も含む子供手当創設(5.1兆支出増)等々、ざっとみても18.9兆円のお金が必要で、国家公務員全員を馘首にして5.3兆円を浮かしても賄えない勘定だが、それでも彼らは、道路については、「やりくりをして、特に地方の、必要な道路整備予算を確保する。」と言い張る。
これでは、教育や福祉といった大所の支出を削らなければならないのは明らかで、削らなければ、増税か借金しかない。
3月18日の畜産・酪農対策小委員会。2月の牛・豚対策に引き続き、養鶏農家(鶏卵生産者)向けの緊急対策を決定。配合飼料価格の高騰は、養鶏農家の経営も直撃している。今回は、鶏卵補てん基準価格を、かつてない水準で19円引き上げ、鳥インフルエンザ危機以上の支援水準を確保した。席上、委員長である私から、「今回の価格決定は、基金を使いきる水準の思い切った対策。業界にも価格転嫁の努力、生産調整の努力をお願いしたい」と発言、生産者団体に対しても、さらなる努力を要請した。
3月17日朝、インドネシアのスタント国家警察長官(閣僚)が来日。その日の夕刻、両国のちゃんこ屋。私を含め、かつてインドネシアに駐在した警察アタッシェが、スタント長官(私の左隣)やユスフ駐日大使(そのまた左隣)さらにそのご夫人方・随員を招いて食事を共にする。私もその一翼を担ったつもりだが、交番システムの技術協力など、現在、日イ警察の関係は、かつての「福田ドクトリン」に示された「心と心の関係(ダリハティクハティ)」を、まさに体現するものとなっている。これを育てていくのも、我々政治家の責務だ。
2月の牛・豚向け緊急対策決定後、残る緊急対策は養鶏の問題。物価の優等生と言われてきた卵は、配合飼料価格等のコスト増にもかかわらず、供給過剰で、価格はむしろ低迷している。今年からは、この問題も、畜産・酪農対策小委員会で議論することとなった。ただ、委員長を務める私自身が、現場の声を聴いていなければ、良い対策を打つことはできない。でも国会対策副委員長の職務上、土日しか時間がままならない。3月16日の日曜日、地元の日程の間に、龍ヶ崎市の押木養鶏場視察をセット。私自身は、大きなインスピレーションを得た。
まず、よくある誤解第7条「今回の『道路の中期計画』は、個別の事業名や工事箇所を明示しておらず、根拠薄弱で杜撰な計画だ」
このような誤解は、野党からの質疑の中でよく見られた。
確かに、つい十年くらい前まで、「公共事業に関する計画」といえば、ときに、具体的な事業名、工事名が記載されるなど、相当具体的なものだった。
しかし、私はこの日、このような「具体的な計画」には弊害があったからこそ、意図的に、「目標の大枠を示すザクッとした計画」に変えたのが、まさに小泉構造改革だったことを指摘した。
このことを、野党の質疑者は、ほとんど理解していない。わが国の道路整備計画は、昭和28年に、「道路整備費の財源等に関する臨時措置法」(現「道路整備費の財源等の特例に関する法律」)が制定され、翌29年から、「道路整備五箇年計画」が策定されるようになったことに始まる。
この計画は、次第に、具体的な事業、特に大規模プロジェクトを盛り込むものとなる。
政府自身、平成13年には、これまでは、費用対効果が甘く見積もられ、その大規模プロジェクトの実現を自己目的化してきた面があったことを、率直に反省している(6月の「骨太の方針」)。