「財務省いいなり増税内閣」の限界~国民の英知を結集した「復興特別債」の提案
2011-9-26
税目は、「解散総選挙を経なければ消費税に手をつけない」と約束していた手前、消費税は検討対象から外し、所得税、法人税、相続税、タバコ税などの増税を軸に増税するということのようだ。
また、税外収入となる「政府資産の売却」については、東京メトロ株や日本たばこ(JT)株のほか、日本郵政株の売却も検討し、これで数兆円規模を見込み、増税幅の圧縮を目論むとのことだ。
でもちょっと待てよと思う。
政府の無策もあり、今や、株価の超安値に加え戦後最高の円高水準で、大不況の到来や産業空洞化も懸念される中、いかに「復興」名目とはいえ、我々は、大増税や安易な政府資産の叩き売りを許して良いのだろうか。(1)「増税メッセージ」が経済の息の根を止める可能性
野田新首相は、民主党代表選の候補者時から、「財務官僚のいいなり」(福島社民党党首)と揶揄されるほど、財政再建重視論者として知られていた。
勿論、私のかつてのコラムにも述べたように、今や政府の借金はわが国の個人金融資産総額の約1000億に近づき、これ以上借金を増やせば、外国人に国債を買ってもらわなければならず、長期金利上昇と国債利払い費の大幅増の危険性が高まることは事実だ。
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野田新首相がなすべきこと(2)~震災復興のため、3次補正予算後、直ちに国民の信認を得直せ
2011-9-13
報道各社の世論調査では、新内閣は、おおむね5割台後半から6割台の高い内閣支持率を記録しており、まずはご同慶の至りだ。
テレビなどでも、前任の管氏が、露骨に政権にしがみつき、「どうしようもない」とみられていた反動か、野田新首相については、「演説のうまさ」、「重厚に見える風貌」、「『どじょう』を自認する泥臭い実直さの演出」などが、今のところ、非常に好意的に受け取られている。
ただ、このような政治スタイルは政治スタイルとして、野田新首相が、具体的に何をしたいのか、民主党代表選挙を通じても、9月13日の所信表明演説を聴いても、今ひとつ見えてこなかった。
さて、8月29日の民主党代表選挙では、前原候補が、思い切った円高・経済対策を掲げ、馬淵候補が、増税でなく、復興債による復興予算の編成を主張、そして、本命と目された海江田候補は、「2009年民主党マニフェストの尊重」を前面に出した。
このように、これら3候補は、演説の巧拙は別として、それぞれ特徴的な政策を前面に出して代表戦を戦った。これに対し、衆議院当選11回の鹿野候補は、豊富な経験に基づく安定感をアピール、野田候補は、「どじょう」演説に象徴される「泥臭さ」、「実直さ」を印象づけ、この両候補は、どちらかというと、「政治スタイル」を前面に出した代表戦を戦った感がある。
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野田新首相がなすべきこと(1)~国民目線の財務大臣を任命し、大規模3次補正で震災対策に一定のメドをつけよ
2011-8-31
丁度2年前の平成21年8月30日、総選挙で自民党が大敗北を喫し、民主党政権が誕生してから、鳩山氏、菅氏に続く3人目の民主党総理の誕生だ。
総理大臣が1年ごとにころころ代わる日本政治の現状は、さすがに海外からもあきれられているが、その一方で、わが国は、3月11日の東日本大震災からの復興という大きな問題に直面している。
ところが、政府の震災対応はまさに後手後手、被災地の方々から失望(絶望)を買っているのが実情だ。
野田新首相には、当面は、菅政権の下で遅れに遅れていた3次補正予算(震災対策のため、10兆円を超える規模が必要と言われている。)の編成に全力を挙げ、早急にその成立・執行を行って頂きたい。
これは、与野党問わず国民の願いだ。(阪神・淡路大震災時と比較した今回の震災対策予算)
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空疎な菅氏主導の「脱原発」議論~政府は「福島第1原発事故」の検証を滞らせるな
2011-8-5
しかし、翌日には、枝野官房長官が、記者会見の内容は、「遠い将来の希望」と菅首相の発言を微妙に否定し、海江田経産大臣も巻き込んで閣内不一致の政権の末期症状を露呈する事態となった。
ただ、菅氏が、いわゆる「脱原発」を表明して以降、それまでの、「福島原発の事故は(政府の対応の拙劣さによる)人災」といった菅氏への批判が表に出なくなり、「『脱原発』は日本経済を無視した思いつき」といった政権批判がマスコミを賑わしたかと思うと、その一方で、「原発は今すぐにでも止めて欲しい」という市民の声も、大きく報道されるようになってきた。
私はこの現象は、「菅直人氏の思う壺」というような気がしてならない。私は、残念ながら、今のところ、「脱原発」か「原発維持」か「原発推進」かを断定的に判断するエビデンス(具体的根拠)を持ち合わせていない。
なぜなら、福島原発事故がここまで拡大したことについての検証作業に関する情報が明らかになっていないからだ。
「原発事故」は極めて恐ろしい。
今後の原発のあり方について考えるとき、天災や戦災(あって欲しくないが)を被り、不測の事態に直面したときでも、「絶対的な安全」が確保できるのかどうかが極めて重要な要素になる。
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いわゆる「セシウム汚染牛」問題と国の責任~現在の政治・行政はたるんでいないか
2011-7-20
そして、お子様をお持ちのお母様方は、学校の校庭での放射線量や、食品に含まれる放射性物質の問題に、特に敏感だ。
そんな中、7月8日、福島県南相馬市の畜産農家から出荷された和牛から、規制値を超える放射性セシウムが検出されたことが判明、食の安全・安心を大きく揺るがすとともに、日本の畜産業の行く末に暗い影を落としかねない事態となっている。
私は、自民党が政権与党時代、畜産・酪農対策小委員長を3年間務め、畜産と食の安全問題には、相当の思いがある。
そして、私の経験に照らすと、今回の問題は、現在の政治や行政が、緊張感を持って、当然とるべき行動をとっていれば、十分に防ぐことができることができたものと考えている。(肥育牛の餌で放射能汚染が心配なのは「稲わら」)
国産和牛(その8割超が黒毛和種)は、言うまでもなく、高級食材で、3年間ほどの肥育課程を経た和牛は、1頭500万円程度で取引される。
例えば福島牛の場合、牛たちに、原発に近い福島の牧場の草を食べさせているかのような印象があるが、これは誤りだ。
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自民党は、「権力亡者」と同じ土俵に乗ることはない
2011-6-19
しかしその後、菅氏の「一定のメドがついたら若い世代に引き継ぐ。」という言葉の解釈を巡り、永田町の関心の焦点は、震災対応そっちのけで、「総理は何時辞めるのか」に移った感がある。
今、地域で多くの方の声を聞いていると、このような国会の有様に、「国会議員は何をやっているんだ」という怒りの声が、日に日に高まっていることを実感する。
そして、その矛先が、最近では、野党である自民党にも向けられつつあることは、肝に銘じなければなるまい。
多くの方から聞く声は、「国会審議やテレビの国会討論を聞いていても、自民党も、『菅辞めろ』の一点張りで、この国難の時期にもかかわらず、生産的な議論がない。」というものだ。
このような声を聞くと、改めて、菅直人氏という、異常な権力亡者を相手にすることの難しさを思うし、国民のことを考えると、このような人物と、同じ土俵に乗ってはならないなと、つくづく思う。
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国政選挙いつから可能になるのか~今は市民の皆様の率直な声を聞き力を蓄えるとき
2011-6-13
震災後3か月、政府の震災対応の余りの遅さ、ひどさに、国民の政治不信は極限まで高まっている。
だからこそ、市民の生の声をしっかり聞き、震災対応に一定のメドがつく時期にくるであろう「強い政権」造りのための決戦のときのために、国民目線の誠実な政治を実現するための力を蓄えていく覚悟で、まさに今、実践をしているところだ。
そして、多くの質問も受ける。
「今は協力すべき時期としても、いつ頃になったら国政選挙ができるようになるのですか。その見通しはどうなのですか。」という問いもその一つだ。
実際、国政レベルの選挙は、いつ頃になったら可能になるのだろうか。「福島原発事故の収束」をメドとするという意見もある。
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政府は直ちに震災対策の追加補正予算編成に着手せよ~危機克服のための通年国会の必要性
2011-5-23
私たちは、犠牲者の方々への深い哀悼の意と被災者の方々への心からのお見舞いの気持ちを胸に抱きつつ、この国難に立ち向かっていかなければならない。
このような観点から、野党である自民党も復旧対策補正予算の審議に協力、震災7週間後の5月2日、当面の復旧費用4兆153億円を計上した平成23年度第一次補正予算の成立を見た。
原発事故の初動対応のお粗末や、義援金が被災者に支給されず未だプールされたままという問題を見ても、菅民主党政権の震災対応は極めてお粗末で、私自身、即刻退陣を求めたい気持ちが強い。
ただ、それはそれとして、被災者支援は待ったなしで、1次補正成立後、政府が矢継ぎ早に必要な予算を編成し、国会審議を求めるのならば、たとえ頭が菅総理であっても、自民党は審議に協力すべきではないかと、私は考えていた。
しかし、5月2日以降、政府の追加予算対策は梨のつぶて。
聞くところによると、民主党は、6月22日までの国会会期を延長せず、閉会にしてしまう意向ということだ。
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農産品に関する放射能暫定規制値のドタバタ~「風評被害」を自ら拡大する菅民主党政権
2011-5-3
地震発生から1週間も経ない3月17日、厚生労働省は、今まで定められていなかった「農産品に関する放射能の暫定規制値」を、急遽発表しました。
少し気になったため、旧知の農水省幹部に問い合わせたところ、案の定、農水省との連携は全くなく、どのように検査するか、基準値超えの農産品の扱いをどうするか、全く決まっていないで、暫定規制値だけが、WHOの厳しい基準を参考に公表されたとのことでした。○いかされなかったJCO事故の教訓
その2日後に福島産の原乳・一部野菜などから規制値を超える放射能が検出され、現場は大騒ぎになりました。
政府は、「食べても直接は健康に影響ない」としながらも、福島・茨城産の一部農畜産品について直ちに出荷禁止を命令、このため、一時、茨城産の農産品は、ほとんどといって良いほど売れなくなってしまいました。いわゆる「風評被害」です。
茨城県は、既に12年前、東海村でのJCO臨界事故を経験、そのときの農産品の風評被害は、数ヶ月続きました。
実は3月末になって、茨城県のJAに、政府から、そのときの記録を見せてくれという依頼があったそうですが、余りに遅すぎます。
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役所にガソリンがなくて被害確認ができない~やっと間に合った農地の復興対策
2011-5-3
今回の震災では、行政機構は優秀なはずなのに、被害状況の把握が遅々として進まず、国民全てがもどかしい思いをしました。
私の選挙区でも、特に稲敷市南部は、水田の液状化が広範に見られました。
3月19日、地元の土地改良区を回ったところ、「農水省の関東農政局に被害確認を要請したら、一旦、『役所にガソリンがなくて行けない』と言われた」という話を聞きました。
結局、土地改良区で帰りのガソリンを用意したそうですが、一時が万事で、被害状況の確認が進まなかったことにも、なぜかうなづけてしまいます。○農地整備を怠ってきたつけ
もっとも、農地整備の担当部局が、政権交代後、特に元気がなかったのも事実です。
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