拉致問題解決への国際理解の醸成を~誤解を招きかねないアルカイダへの甘い姿勢
2007-12-19
冒頭、「米国の『北朝鮮に対するテロ支援国家指定解除』の動きに反対する決議」を採択、その後の一般質疑で、私が質問に立った。
外務省や法務省に対する質疑の中で、私は、2001年の9.11テロが、北朝鮮当局による拉致問題同様に、我が国の法律上も、日本人に対する犯罪行為に当たることを明らかにしていった。
私が取り上げた、「外国人による国外犯」の問題は、マスコミや、一般国民の間では、以外と知られていない。
このため、Q&A形式を交え、質疑応答の内容を紹介してみよう。
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振り込め詐欺被害者救済法成立へ~「被害者救済よりもパフォーマンス」の民主党に辟易しつつ
2007-12-11
自民党内の「振り込め詐欺撲滅ワーキングチーム」を中心に作成した「振り込め詐欺被害者救済法案」が、6月7日の提出から半年たって、ようやく審議入り、私が趣旨説明を行った。
振り込め詐欺の被害者が銀行に振り込んだお金は、現行法制上、口座名義人(犯罪者)のみに払い戻し請求権があるため、被害者に返還することができない。
こうして金融機関の預金口座に滞留したお金は、約80億円も上っており、早期に被害者を救済する必要があった。
そこで、平成18年9月、自民党内の検討を開始、議員自身の発案により、1年間をかけ、遺失物法などの手続を参考に、まず口座名義人の払い戻し請求権を消滅させ、その後被害者に対してお金を返還することを内容とする「振り込め詐欺被害者救済法案」(議員立法)を、練り上げ、平成19年6月7日、衆議院に提出したわけだ(私が提出者代表)。
それが、なぜ半年も、たな晒しにされていたのか。理由は簡単。
民主党が審議入りを拒否していたからだ。
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「税金ムダ遣い」の悪徳公務員は「私財で損害賠償」を~公務員給与改革再始動
2007-11-27
衆議院当選1回生に参加を呼びかけ、今後数回にわたる集中的な勉強会を行い、2~3週間のうちに緊急提言をとりまとめ、官邸・党4役に申し入れを行っていくこととした。
このタイミングで、私達の議連が緊急提言を行うこととしたのは、現在、政府で、キャリアとノンキャリアの垣根を取り払う国家公務員の人事制度改革の検討が進められていることが大きい。
このような制度改革は、給与にも反映されるわけで、今まで公務員給与改革の推進力となってきた私達の議連も、給与改革の観点から、あるべき人事制度のあり方について議論し、政府や党に対し、必要な申し入れを行うことが大切だ。
これに加え、今回は、私の強い意向で、「『意図的に税金のムダ遣いをした公務員』には、退職後も、退職金返納に止まらず、私財による賠償を求める」制度の検討について、提言を行うこととした。
今日は、この「求償制度の検討」について書く。かつて、田中真紀子衆議院議員が、公務員の退職後の「懲戒」の問題を提起したことがあったが、社会保険庁、防衛省の問題など、昨今の目に余る公務員不祥事を目の当たりにし、総務省では、一定の不祥事が発覚した公務員について、「退職金の返納」の義務づけることの検討が始まったところだ。
しかし、本当にそれで十分だろうか、意図的に国民に損害を与えた、極めて悪質な公務員には、税金のムダ遣い分を、私財で贖っていただくことも検討すべきではないか。
そして、私はこのことを、何も、大衆迎合的なポピュリズムの観点や、公務員バッシングの視点から唱えているわけではない。
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給油新法審議が参院へ~民主党は「国民の生活と命」の大切さをどう考えているのか
2007-11-18
テロ特措法の期限切れ(11月1日)により停止中の自衛隊によるインド洋での給油活動を再開するための法案が可決され、参議院に送付された。
もっとも、法案が参議院に送られたからといって、参議院連絡担当の国会対策副委員長である私は、一向にヒマにならない。
参議院の審議状況を掌握した上、例えば、15日の守屋前防衛事務次官の喚問では、質疑者(山本一太参院議員)に対し、法律関係の知識や各種の情報の提供を行うなど、黒子としての役割も果たすことも求められているからだ。
それもこれも、参議院では、民主党が第1党で、自・公両党はあくまで第2党という現象故で、今ほど、自民党として、衆参連携の全員野球が必要なときはないからだ。
でも、この法案の行方、決して容易でない。
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自民党コメ緊急対策策定に参画(2)~「2の矢」「3の矢」こそ大切
2007-11-10
これは、農家にとっては大問題だ。
平成18年の全銘柄平均価格は60㎏14800円だったが、集荷を行う全農(全国農業協同組合連合会)などの取り分(流通経費)が2000円強で、農家の手取りは、まあ、60㎏12000~13000円だ。
ところが、昨年の生産コストは、大まかに言って(60㎏当たり)、物財(種苗、肥料、燃料等)費などが10000円、家族労働費が7000円だ。
つまり、農家にすれば、本来7000円換算の家族労働費を、3000円で我慢することで、何とかやっているというのが現状だ。
しかし、もしも今年、市場が過敏に反応し、前年のコメ価格を2000円から3000円も割り込めば、売り上げで物財費も賄えない農家が続出することになる。
政治が何とかしなければ、多くの農家が、農政に決定的なノーを突きつける事態が避けられない状勢といっても過言ではない。もっとも、数十年前、「生産者米価」や「消費者米価」を巡り、秋になると永田町が沸き立った時代は今は昔、米価の決定は、基本的には市場原理に委ねられている。
その中で、政府・与党がとり得る対策は、緊急時用の「備蓄米」を積み増し、需給ギャップを解消する程度しかない。
ただ、この政府米買い上げについても、財政負担という課題のほか、いくつか問題がある。
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自民党コメ緊急対策策定に参画(1)~過剰作付けが大問題に
2007-10-30
作況そのものは99(平年作100)だが、米の過剰作付けや消費減退の影響で、供給が、需要(約800万㌧)を、23万㌧程度上回るとのこと。
これに18年産米の在庫約10万㌧を加えると、まさに大幅なコメ余りだ。
この数字を聞き、私は、開口一番、「これが発表された途端に(市場価格が)暴落するな」と唸った。
農業が、産業として持続的に成り立つためには、市場価格が生産コストを吸収できる条件整備を行うことが大切だ。このため、国際ルールに基づく関税措置と生産コスト縮減に併せ、確実な計画生産(生産調整)の実施を進めていかなければならない。
ところが、後述の理由で、私の地元茨城もそうだが、特に今年は、計画生産に応じないコメ農家も多く、結果的に大幅な供給過剰。でも、今年のコメ価格が暴落すると、最も被害を被るのは、実は、計画生産に協力してきた真面目な農家、これでは、ただでさえ崩れつつある農政への信頼が、完全に失われかねない。その日から、コメ政策に追われる1ヶ月が始まった。まず、作況が99(9月15日現在推計)と平年作なのに、何故、大幅な供給過剰という事態が生じたのだろうか。
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客観的議論の上に公正かつ透明な制度の構築を~「政治とカネ」巡り予算委質疑
2007-10-27
予算委員会の基本的質疑3日目のこの日、私は、自民党のトップバッターとして、福田総理らに対する質問に立った。
私の質疑は、当日夜のTVニュースにもとりあげられたほか、翌日の朝刊では、ほとんど全紙に、「<小沢代表>領収書あて名書き換え岩手の民主党支部」(毎日)、「衆院予算委『政治とカネ』で与党逆襲も」(産経)などの見出しが踊った。
ただ、私は、この質疑を通じ、特定個人の揚げ足を取る考えも、まして、「小沢代表の領収書改竄問題」を追求する考えもなかったことは、質疑のインターネットTVを見ていただければ、一目瞭然だと思う。
http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=36810&media_type=wb&lang=j&spkid=7004&time=00:09:02.4
「政治とカネ」の問題は、とかく感情論が先行し勝ちだ。
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まちを洪水から守る~消防団等のコミュニティ政策を強化せねば
2007-9-18
ただ、今日は、その話でなく、9月6日から7日にかけて首都圏に猛威を振るった台風9号のもたらした大雨による利根川の増水に、私が所属する取手市消防団第6分団がどう対応したか書きながら、消防団等を支援する政策の必要性について書いてみたい。
私の分団では、団員への連絡は、携帯メールが利用される。そのメールで、消防署から、排水機(排水ポンプ)場への出動・泊まり込みが必要になるかも知れないので、待機して欲しい旨の連絡があったのは、台風が上陸する数時間前の9月6日18:02。
国会対策委員会の会合が夕刻まで延び、まだ私が、東京にいる時間帯だった。利根川は、日本を代表する河川で、その堤防は極めて堅牢、決壊の可能性は非常に低い。
それなのに、利根川が増水すると、何故「排水機(排水ポンプ)場」というところに、消防団員が泊まり込まなければならないのか。
これは、「内水」の問題があるからだ。
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新たな状況下国会対策副委員長に就任~今後の国会論戦は決定的に重要
2007-9-7
与党は、衆議院では絶対多数を確保しているものの、先の参議院選挙の結果、参議院では過半数を大きく割り込むことになった。
自民党政権下では、小渕内閣の時代、与党が参院の少数会派に転落したことがあった。それでもこのときは、自自公、自公といった枠組みの連立政権を組み、与党として、参院での多数確保を果たすことができた。
しかし、現在、民主党との大連立の可能性はほとんど皆無だ。
その意味で、衆参ねじれという状況は、戦後誰も経験したことのないもので、今後の国会の行方は極めて不透明ということができる。もっとも、1つだけ確かなことは、与野党の政策の優劣を国民の前に明らかにし、その正確な判断を仰ぐためにも、国会論戦の意義が、これまで以上に重要になるということだ。
そんな中、私は、8月30日の人事で、自民党国会対策副委員長に指名された。
大島理森国会対策委員長(元文相・農相)を支え、今後の国会運営という「海図なき航海」の舵取り役を担うことになったわけだ。今まで、「国会対策」というと、与野党が密室で取り引きし、談合を重ねているようなイメージを持たれやすかった。
かつて、自民党のみが、両院の多数を占めていた状況では、与野党の間で、「この部分は野党に花を持たせる」、「野党の顔が立つように見せ場を作る」といった話し合いや取引が行われるというケースもあるいはあったかも知れない。
しかし、今は、「衆参のねじれ」の時代、私は、「国会対策」は、質の面で、大きく変容せざるを得ないと考えている。
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「自由・平和・活力」の日本を創らなければ~保守本流・宮澤元総理を悼む
2007-9-5
氏は、池田勇人、大平正芳及び鈴木善幸といった総理大臣を輩出した名門派閥「宏池会」を率い、「軽武装・経済重視」の、いわゆる「保守本流」の代表選手であった。
そして、1951年のサンフランシスコ講和会議への全権随員として参加の後、1953年から2003年までの50年間、国会議員として在職、総理のほか、蔵相、外相等の主要大臣を歴任、戦後政治を名実ともにリードされた。
私は、午後1時に会場に入場し、会場を出たのが午後3時半、厳粛な葬儀に参列しながら、故宮澤元総理が体現された、「保守本流とは何か」、「戦後政治とは何か」ということを考えていた。
「保守本流」路線とは、良く、外政面では、日米関係を基調としつつ、アジア戦略も重視する「ハト派」、内政面では、「大きな政府」を指向してきたと言われることがある。
でも本当にそうだろうか。例えば、「保守本流としての大きな政府路線は、冷戦の終結とバブルの崩壊によって、歴史的潮流から取り残され、転換を迫られたが出来ず、『失われた10年』となった。」(中川秀直前自民党幹事長)という主張もあるが、これはちょっと事実と違うように思う。
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