平成21年の年頭に当たって~「世界同時不況から最初に立ち上がる国」を目指す

2009-1-1

経済危機突破に全力

平成21年の新春、明けましておめでとうございます。
昨年は、米国発の金融危機が世界的な景気後退を引き起こし、雇用情勢も深刻化するなど、まさに「大変な年」でした。
将来への不透明感は、残念ながら年を越してしまいましたが、本年は、経済危機突破に向け、反転攻勢の年にしていかなければなりません。
しかし、政治について見ると、麻生新内閣成立後も、いわゆる「ネジレ国会」の状況に変化はなく、国会審議の停滞が懸念されます。
私は、一昨年8月来、自民党の国会対策副委員長に就き、「ネジレ国会」における国会運営の難しさを目の当たりにしてきました。ただ、経済情勢がますます厳しさを増す中、1月5日から始まる国会で、予算案審議が引き延ばされ、その成立が遅れるようなことになると、それこそ、「政治発の経済危機」を招いてしまいます。

本年は、予算の早期成立を経済危機突破の第1歩とすべく、年頭から、気持ちを引き締めて、国会運営に当たって参ります。さて、米国発の世界的な経済危機に対し、我々が全力で対処しなければならないことは勿論と思いますが、日本人が、余り自虐的になるのも考えものだと思います。
昨今のマスコミを見ると、「日本経済は体力が弱くてダメだ」「政府与党の政策は、国民目線とはかけ離れていてダメだ」式の決めつけ報道が多く、いかがなものかと思います。
わが国の経済システムも、政治システムも、この数年、相当な改革が進められてきたことが、全く無視されています。
日本人は、今までの努力の成果を否定し、自信を失ってはなりません。
例えば、金融システムについては、わが国では、諸外国に先駆けて改革が行われました。
だからこそ、昨年の世界金融危機後も、わが国の金融機関は、まだ1つも破綻しておらず、欧米に比べ相対的な強みを持っているのです。
また、政治の分野でも、自民党の党改革は相当進みました。

党内の状況について、もう少し述べましょう。
かつては、当選回数というのが極めて大切で、私のような当選2回生ごときが言い出すような政策は、実現するまでに相当長い時間を必要としました。
しかし、最近は必ずしもそうではありません。
例えば、私は、昨年の12月、福田総理(当時)に対し、背任等を犯した公務員には損害賠償を求めるべきとの提言を行いましたが、公務員の退職金返納、会計検査院の機能強化など、一部ではありますが、政策が現実の動きになりつつあります。
また、一昨年来、畜産・酪農対策小委員長として、エサ用のコメを作付けし、水田をフル活用すべきと主張してきましたが、来年度予算案の中に、エサ用コメの作付けに対する10㌃当たり5万5千円の助成措置が盛り込まれることになりました。
さらに、昨年8月来、自民党の総務部会長代理として、民間の経済・雇用情勢が悪化する中、国会議員や国家公務員についても、緊急給与カットが必要と主張してきましたが、この度、総務部会の中に、正式にプロジェクトチームを発足させる運びになりました。
自民党の意思決定は、決して、「旧態依然」ではありません。
かなり風通しの良い、開かれたものとなりつつあります。
現下の経済危機を突破するためには、このような党内の議論をさらに開かれたものとし、国民に対する説明をしっかり行っていくことが必要だと思います。
その上で、私たちは、「国民目線の政策を進める」ための不断の努力を続けていかなければなりません。

わが国を、現在の世界同時不況から、「最初に立ち上がる国」にするため、私は、本年、気持ちを新たに、命懸けで、国政の諸課題に取り組くで参りたいと思います。