信頼と安心と希望を確立する年に~具体的仕事を1歩1歩進めることが大切

2008-1-1

平成20年の年頭に当たって

平成20年の新春、明けましておめでとうございます。
昨年は、参院選挙における与党の大敗、安倍前総理の突然の退陣、福田内閣の成立など、まさに激動の1年でした。
昨年8月、自民党国会対策副委員長に就任した私は、めまぐるしく動く政局の渦中に身を置き、まさに緊張の連続でしたが、その緊張感は、多分今年も続くことになるでしょう。
特に、今年の通常国会には、国民生活に密着した予算案や、税制関連の法律案が上程されます。
私は、予算委員会、国土交通委員会及び憲法審査会担当の国会対策副委員長として、その予算案本体や、ガソリン税・軽油引取税などの税制に関する国会対策に当たることになります。
予算案などが、党利党略や政争の具とされ、国民生活が置いてきぼりを喰うことがないよう、細心の注意と丁寧な説明が求められます。

その一方、私たちは、今、国民が、政治や行政への「信頼」や将来への「安心と希望」を失いつつあり、フラストレーションを高めている現実を直視し、真面目に手を打っていかなければなりません。国民の多くは、かつての右肩上がりの時代よりも、景気回復の実感がなかなか得られない今という時代だからこそ、「政治・行政」には、もっと頑張って、社会をリードして欲しいと思っているはずです。
ところが現実はというと、政治家が、国会の外(テレビで等)では格好のいいことを言っていても、国会の場で、しっかりした政策論争が行われているかというと、はなはだ疑問です。
さらに、昨今の守屋前次官の事件などを見ると、官僚が襟を正すどころか、とんでもない税金のムダ遣いも行われていたようです。
これでは、国民の間にフラストレーションが高まるのも当然です。
だからこそ、政治家自身が身を正すことは勿論のこと、冒頭述べたように、国会を、足の引っ張り合いでなく、政策論争・政策協議の場にしていかなければなりません。
私も、国会対策副委員長として、例えば、現在止まってしまっている憲法に関する調査を早期に再開するよう働きかけるなど、国会が機能不全に陥らないよう、全力を尽くしていきたいと思います。
また、昨年12月21日、私は、「公務員制度改革を断行する若手議員の会」事務局長として、福田総理に対し、汚職事件等を犯して税金のムダ遣いに荷担した公務員には、退職金の返納に止まらず、個人にも一定の損害賠償責任を負わせる制度を検討すべきと提言しました。
本年は、具体的な制度設計の議論を行うことで、第2の守屋を出現させないため、与党としての厳正な姿勢を示し、国民との信頼関係の醸成に努めていく考えです。

また、超高齢化社会の中、年金制度がますます重要になっているにもかかわらず、昨年は「宙に浮いた年金」など、社保庁職員の不誠実でずさんな事務処理の実態が明らかになり、国民の不安を増幅、大きなフラストレーションの原因となりました。
不誠実でずさんな事務処理に起因する問題には、誠意をもった着実な事務処理で応えていくしかありません。
本年3月末までに、「宙に浮いた年金記録」のコンピュータ上での照合を行い、なお追跡調査が必要な記録を抽出することになりますが、さらに、全ての既受給者、未受給者に、自らの年金加入記録を確認していただくことで、漏れた記録を補い、全ての人が、約束通り、確実な年金を手に出来るようにしていかなければなりません。
もとよりこれらは、膨大な作業です。
自民党としても、厚生労働省に対し、かけることの出来る全ての圧力をかけ、作業を急がせることが大切です。
昨年9月、私たち若手議員有志は、まさにそういう仕事を行うため、舛添厚生労働大臣を会長に、派閥横断的な政策集団「安心と希望」(私が事務局次長)を結成しました。
本年は、年金記録照合作業を着実に進める圧力集団として活動し、国民の方々に、少しでも、与党の「一生懸命さ」を理解していただけるようにしていきたいと考えています。

さらに、人口減少社会と東京1極集中の進展は、地方の財源難や地域の絆の劣化をもたらし、例えば、「地域の祭りもいつまで続けられるか分からない」といったように、地域社会では、今や、将来の「夢」や「希望」を描くことができないという声も耳にします。
このような「ふるさと崩壊」への危惧が、国民のフラストレーションを大きく増幅させていることは言うまでもありません。
ふるさとを守るための財源対策としては、私も党総務部会長代理として議論に加わり、平成20年度の予算案で、地域間の税源の偏在について、対症療法的に一定の手当を行いましたが、本格的な議論は、本年こそ行っていかなければなりません。
また、地域の絆、すなわち、コミュニティの劣化を食い止め、逆に、強い地域社会を作るようにするため、私は、一昨年来、党の「地方行政調査会コミュニティに関する委員会」事務局長として、「コミュニティ基本法案」の策定作業を進め、昨年暮れには、ほぼその原案を得るまでこぎ着けました。
本年は、野党の方にもその趣旨を丁寧に説明し、是非この法案を成立させ、地域の元気の源である町内会、自治会、消防団、スポーツ少年団等をバックアップすることにより、是非、将来に「希望」の持てる強い地域社会作りに寄与したいと考えています。

このように、私達たちは、地に足のついた具体的な仕事を、1歩1歩、命がけで進めていかなければなりません。
そして、着実に、誠実に、平成20年を、「信頼と安心と希望」を確立する年としたいものです。