公務員給与改革・今年の課題~2006年「若手議員の会」始動

2006-2-24

公務員給与改革は、わが国が、歳入歳出の一体的改革を進める上でも、しつこく続けていかなければ行けない課題だ。

総務委で竹中大臣に質問

ただ今年は、年初来、耐震偽装問題、BSE問題、鳥インフルエンザ問題と何かと忙しかったが、2月22日には、私が事務局長を務める、「公務員給与改革断行を求める若手議員の会」も、本年第1回目の会合を開き、いよいよその活動を再開した。
そして、これに先立つ2月21日の衆議院総務委員会でも、私は、本通常国会における自民党のトップバッターとして、竹中総務大臣に対する質疑を行い、公務員給与改革の加速を迫ったところだ。
「若手議員の会」では、昨年も、公務員の給与構造改革に向けた提言をとりまとめ、人事院勧告などでも、それなりの改善が図られてきた。
でも、やらなければならないことはまだまだたくさんある。
今日は、今年の公務員給与改革の課題を書いてみよう。まず、「公務員給与改革断行を求める若手議員の会」として、本年6月に閣議決定される、いわゆる「骨太方針(経済財政運営の指針)」に向けて勉強を重ね、提言を取りまとめていかなければならない課題がある。

最初に、公務員給与「民間準拠」の算定方法の問題。
現在の国家公務員給与には、民間準拠の原則がある。
しかし、その比較対照となる「民間給与」は、「100人以上の企業規模」で、かつ、「50人以上の事業所規模」の「正規雇用職員」の「給与」ということだ。
中小企業はどうなんだ、パートはどうなんだ、そんな点が、今問題となっている。
もっとも、公務員給与を、パート労働者と同じにしろなどというのは、いかにも暴論だ。
官民給与の比較方法も含め、研究課題である。

次に、地方公務員給与の問題。
ここでは、総務委員会質問でも問題提起を行ったが、本年の課題を2つほど述べてみる。

1つは、各府県・政令市人事委員会勧告における反応のにぶさ。
昨年、人事院は、給与構造改革に向けた勧告を行い、府県レベルで、ほとんどの人事委員会は、これに即した勧告を行った。
しかし、政令市で見ると、北九州市以外は、勧告先送りだ。
これはやはり問題だと思う。

2つは、府県レベルにおける給与の「公民格差」の算定方法。
ちょっと技術的になるが、給与の公民比較は、全体の平均賃金でなく、ポストごとの給与を比較する方式をとっている。
ところが現在、A県では、民間の「係長(部下あり)」を県庁の「係長(部下あり)」の給与と比較しているが、B県では、民間の「係長(部下あり)」を県庁の「主任(部下なし)」の給与と比較している。
だから、B県の公務員は、民間よりも低い給与水準であるという結果が出るわけで、組合も、それならもっと給与を上げろということになる。
でも、まやかしがあってはならない。
技術的なことであっても、もっとオープンにしていく必要がある。

また、平成16年現在、国家公務員比のラスパイレス指数が107.1となっている、独立行政法人役職員の給与をどうするかということも、短期的に大きな課題だろう。

でも、このような課題だけではない。私たちは、もっと広く長い目で、公務員給与改革の問題に立ち向かっていくことが必要だ。

実際、2月22日の会合では、公務員の天下りの問題、退職金の問題、宿舎の問題等々、この数年で、何が改善され、残された課題が何か、一度整理してみようという意見が多く出された。
私が責任をもって、各省・人事院をまたがるが、横断的な施策体系をしっかりと整理していきたいと考えている。

いずれにせよ、公務員給与改革、今年も興味は尽きない。