公立小学校にスクールバス導入検討を~児童数過小の学校への施策が急務
2005-8-3
8月3日は、文部科学委員会で、中山成彬文部科学大臣に対する質疑( 次をクリック!http://www.shugiintv.go.jp/jp/wmpdyna.asx?deli_id=27873&media_type=wb&lang=j&spkid=7004&time=00:44:06.4)。
文部科学省では、学校の適正学級数を、12以上18以下と定めている。1学年2~3学級という計算だ。
しかし、現在、学級数が12に満たず、1つの学年を1つの学級だけで編成しなければならない小学校が、全国で51.5%もある。
私の住む取手市でも、3分の1程度の小学校は、1学年1学級、毎年、10人から20人程度の児童しか入学してこないからだ。
そして、このような小学校で、「いじめ」が発生したとしよう。
当然学級換えもできず、「いじめ」に巻き込まれた子どもにとっては、まさに「地獄」だ。
このような「いじめ」の問題に加え、子どもが良い意味で競争することを覚え、たくましい「生きる力」を獲得するためには、同学年に一定数の仲間は必要だろう。
最近、地方の実状により、少人数学級に対する取り組みが行われ、全国的には、児童数の減少に反し、学級の数自体は増加、1学級当たりの児童数は、平成16年には、平均26.3人となってる。
これは大いに結構なこと。
しかし、子どもが少なすぎる学校では、少人数学級への取り組みとは別の対策、すなわち、児童数の確保対策が必要だ。
長期的には子どもを増やすことが必要だが、今、学年で一定数の児童を確保するためには、残念ながら、小学校を統合するほかに道はない。
でも現実には、小学校の統合については、保護者の方々の不安も強く、さらに、地域の方々の反対が大きいのが現状。
まず保護者の方々の不安。
現在、ただでさえ子どもを狙った犯罪も凶悪化し、交通事故の問題もある中で、学校が遠くなることへの不安だ。
そこで私は、今、へき地・離島にのみ限定されているスクールバスへの国庫補助を、全国的に拡大する方向で検討すべきと考えている。
勿論、ドアトゥードアとまではいかないが、登校時だけでなく、下校時についても、一定の地点まで、スクールバスによる送迎が徹底されれば、保護者の方々の不安は、相当解消され、子どもの安全確保も図ることができる(スクールバス自体も、アウトソーシングして民間委託すれば、必ずしも高価なものではないはずだ。)。
次に地域の方々の反対。地元で話を聞いていると、特にご高齢の方に、思い出の学び舎がなくなることへの拒否反応が強い。
そして、やはり、小学校は、地域のコミュニティーや文化の拠点であるという意識がある。
私は、このような気持ちも大切にしなければと思う。
ただ、教育を受け、学校生活を営む子どもの立場でものを考えると、やはり、子どもは、ある程度賑やかな環境の中で学んでほしいという思いが強い。
だからこそ、地域の方々とともに、今後は、統合対象となる小学校施設を、単に廃止するのでなく、地域の文化・学習の拠点としてどうやって活用できるかを考えていくことが必要ではないか。
このような考え方から、8月3日の文部科学委員会で、私は、小学校の統合について考えるに当たり、次の3原則を提唱した。
①(あくまで「子どものため」)「効率化」という「財政の論理」や、「大人のノスタルジー」で小学校統合の要否を考えてはならず、あくまで、子どもに対する教育をどのように充実するかという観点から検討を行うべきであること。
②(公立学校にもスクールバスを)学校が統合され、通学先となる学校が遠距離になる場合、通学の安全確保策が不可欠。だから、登校時だけでなく下校時も含め、スクールバスの委託するなどの施策を全国的に推進すべきであること。
③(旧学校施設の地域での活用)統合され、学校としては使用されなくなった施設を、地域の文化やコミュニティーの拠点としての活用する施策を進めるべきであること。
私の提案に、中山文部科学大臣も、前向きの検討を約束して頂いた。
あくまで「子ども」のためではあるが、これらの施策の展開は、結果的に学校施設配置を効率化し、実は、予算の節約にもつながる。
「子どものため」を徹底し、予算の節約もできれば、予算不足で遅れている学校施設の耐震改修も進めることができる。
文部科学行政が、このような戦略的発想を持つことができるよう、委員会などの場で、今後も、私なりの提案を行っていきたい。