鉄道通勤をもっと便利で快適に~近郊都市生き残りの鍵
2005-4-10
今日は鉄道通勤についての国会質問の話題。
さて、我々取手市民にとってみれば、取手駅周辺をもっと賑やかにという願いに加え、常磐線の快速や普通電車が東京駅まで乗り入れてくれれば、あるいは、上野駅での地下鉄銀座線・日比谷線への乗り換えがもっと便利になれば通勤も楽なのにという思いも強い。
また、本年8月24日開業のつくばエキスプレス(つくば市と秋葉原を結ぶ。)の沿線住民は、線路を、秋葉原止まりでなく東京駅まで延伸して欲しいという熱望を持っている。
東京駅乗り入れや延伸となれば、通勤も便利、新幹線乗り換えも容易で、わが茨城県民にとってみれば、これは当然の願い。
ただ、我ら茨城県民の熱い思いと比べ、東京の住民や自治体は、かなり冷めている。温度差がある。というのは、例えば常磐線やつくばエキスプレスの東京駅延伸が実現したとしても、受益者は、茨城や千葉から東京に通勤する人たちで、決して東京都の住民ではないという思いがあるからだ。
現実に、常磐線東京駅乗り入れのための高架線路建設計画については、神田駅周辺の住民による、たった数百メートルの路線建設への反対が、その実現のネックになっていると聞く。
だから余り進まない。
その中で、利便性に勝る東京23区では高層マンションの建設ラッシュ、通勤に時間のかかる近郊都市、かつてのニュータウンは、人口減少の危機に直面している。
実際、私の住む取手市も、平成7年の8万4千人強をピークに、隣町の藤代との合併直前の今年3月には、8万人すれすれまで人口が減少してしまった。
このままでは、都心部の高層マンションだけが伸び、大都市周辺の近郊都市は消滅してしまう。
でも、本当にそれでいいのだろうか。
そんなことはない。
第1に、2007年から人口減社会を迎える中で、住環境の面でも、一人一人の生活を豊かにし、より広い宅地を使うライフスタイルを提供する努力をしなければ、経済成長は見込めないどころか、不動産価格の下落に歯止めがかかるはずがない。
その意味で、これからの日本は、国策としても、都市政策の中で「ゆとりある郊外生活」の確立を重視していかなければならない。
第2に、常磐線などで通う茨城都民、千葉都民も、現実に東京の経済活動を支える戦士であり、東京都民の方にも、もっと暖かい眼差しをもって欲しいということもある。
だから今、既存の都市鉄道を、もっと快適で便利なものにすることは、焦眉の急だ。
そして、実は、この国会での成立を期し、国土交通省や、私たち自民党国土交通部会で、「都市鉄道利便増進法」という法律を準備してきた。
この法案は、鉄道通勤の利便性向上を、国の目指すべき方向として明確に位置づけ、東京都民にも周知するとともに、線路延伸や駅舎整備などの一定の事業について、国が事業費の3分の1を補助することを可能にするもので、取手などの近郊都市の再生や、つくばエキスプレス沿線の面整備に向け、大きな追い風になることが見込まれる。
そこで、4月6日には、衆議院国土交通委員会で、自民党を代表してこの法案について質問、法案の理念のほか、常磐線やつくばエキスプレス関連についても、国土交通省から前向きの答弁を得、その模様は、翌日の地元紙(茨城新聞)の一面トップに掲載された。
私は、地元への貢献は、口ききでなく、政策でやっていきたいと思っている。これからも、そんな仕事をしていきたい。