探偵業新法へ始動 ~ 自民党WTで法案検討の初会合

2005-3-8

今日は「探偵」の話題。

マスコミに探偵業新法案を説明

興信所・探偵業を名乗る人たちは、全国に5000社以上あると言われている。
彼らは、他人の依頼で、所在調査、身元調査、浮気調査等の調査を行っている。
そして、最近の経済的紛争や離婚の増加を反映して、5年前に約3000社だった業者数は、大幅に増えてきている。
ところが現在、この業種は、一切法の網がかかっていない。
すなわち「野放し」状態。
だから、誰でも「探偵」を名乗ることができる。
そして、次のような、ウソのようでホントのトラブルがあとを立たない。例えば、ある探偵社は、依頼者(多分暴力団?)から特定の人物の所在調査を頼まれ、所在をつかんでから数時間で、その人物が何者かに狙撃されて死亡。
その後、その探偵社の社長も、現在まで、ようとして行方不明。これは、まるでゴルゴ13ばりの実話だ。
また、ある探偵社は、全国長者番付常連の億万長者の依頼で、平気で盗聴行為を行っていた。
これらとは逆に、浮気調査等を依頼した者が、その依頼した事実などを種に、探偵社からゆすられることも(数的には、契約者とのトラブルが圧倒的に多い)。

だからこそ、業務の適正化や契約者保護のための法的措置を急がなければならない。
さらに、法令違反やトラブルを犯した業者が、営業を続けられないようにしていかなければならない。

実は、昨年来、政務調査会内閣部会内に、私が事務局長に就き、「調査業に関するWG」を設置、警察庁に対し、内閣提出の法案を検討するよう求めてきた。

しかし、正直いって役所はスピード感に欠ける。
担当者個人の責任ではないとは思うが、組織としては、消極・消極・消極のオンパレード。なぜかやりたくない。

庶民感覚からすると、「決定的な事件(被害)でも起きない限り動かないのか」とも言いたくなる。
ちょっと寒いが、まあ、彼らも忙し過ぎるのだろう。

もっとも、内閣提出の法案作成時に審査を受けなければならない内閣法制局的な理屈からすると、実はこの法案、探偵業の実態が良く分からないだけに、詰めた議論を重ねると、「もう少し調べてから」式で、法案作成自体が難しくなってしまう面もある。

私も役所にいたからそれは分かっている。

そして、詰めた理屈を優先し、法律の精緻さを求めるこのような思考方法は、今までの、右肩上がりの安定的な社会には、多分有効に機能したのだろう。
しかし、現在のように、変化が激しく、スピード感の求められる時代には、理屈よりも、もっと常識を優先させなければと思う。
やはり政治主導が必要だ。

業を煮やして、昨年11月26日の内閣部会で、私の提案で、探偵業新法は、議員立法でやることを決議。
そして、去る3月1日、与党政策責任者会議において、私から、検討内容(事務局長試案)を説明、今国会での法案提出に向け、検討を進めることの了承を得た。

今日3月8日は、法案作成に向けての「調査業に関するワーキングチーム」の初会合。私が司会進行、素案の説明を行い、記者レクも担当した。
その場で、私の作成した探偵業新法の素案を公表、今後、連休頃の法案提出に向け、公明党とも連携をとりながら、精力的に検討を進めていく。