取手市桑原に日本最大のショッピングテーマパーク~ 交流人口と雇用を増大へ

2024-7-3

取手市街に隣接する取手市桑原地区の農地は、国道6号と都市計画道路3・4・3号上新町環状線が交差する交通至便の場所にあるが、その一方で、優良な水田地帯でもある。(地図)
この地域については、平成中期以降の米価の低迷もあり、私が国会議員になった平成15年以降、地元の農地所有者と業者の方から、商業施設を進出させたいという相談が複数回あった。

商業施設の進出には、都道府県知事等による農地法上の地目変更(転用)の許可が必要だが、4㌶を超える場合は、国との協議が必要になる。
わが国の高度成長期、全国各地で、工業用地や住宅等への農地転用が積極的に行われ、結果、ピーク時に609万㌶あったわが国の農地は、大幅に減少することとなった。(図)
このため、農地転用は、抑制的に運用されるようになり(図)、特に優良農地については、原則不許可とされている。
私も、商業施設進出についてご相談を受ける都度、このような事情を説明してきたが、高度成長期に農地転用が容易だった時代を知る農地所有者の皆様からは、時に不興を買うこともあった。
このため、私から取手市当局に、地元の要望が強い場合は、農地法の不許可の例外事由として明記されている都市計画事業(いわゆる線引き変更)での事業推進ならばお手伝いできる旨を示唆、令和元年、地権者167人のうち142人が参加する桑原地区土地区画整理事業の準備組合が発足することとなった。

 準備組合の代表には、取手市商工会長の菊地城一郎氏(私の取手市後援会長でもある。)が就任、令和4年には、事業協力予定者のイオンモール・イオンタウンJVが各地権者に予定地代を提示し、事業が進み始めた。
令和5年に入り、取手市の藤井市長(当時)が私の事務所に来訪し、4月から関東農政局との協議が始まるので、できるだけ早く協議が整うように協力して欲しいとの要請があった。
早速農林水産省の担当課長にその旨を伝えたところ、先方は、「67㌶の規模だと、通常は4年かかるところだが、できるだけ早く対応したい」とのことだったので、私からは、「県や市には必要な資料はしっかり整えさせるので、1年位で対応して欲しい。」と申し上げた。
その後も折に触れ、本件のリマインドを行ってきたが、令和6年6月、申請後1年2ヶ月というスピードで、関東農政局との協議が整うこととなった。
67㌶という規模は、東京ディズニーランド(51㌶)の1.3倍、越谷レイクタウン(34㌶)の2倍という、日本最大級のショッピングテーマパークだ。
完成すれば、交流人口の大幅な増加と、雇用の場の拡大が見込まれ、取手市発展の起爆剤となることは間違いない。

そして、私も、ショッピングテーマパーク完成に向け、さらなるお手伝いをしていかなければならない。

まずは地盤改良工事に向けた土砂の確保だ。
農地を宅地や商業地にするには、大量の土砂を埋めなければならない。この点については、現在稲戸井調節池が掘削中で、年間30万立方メートルの土砂が発生おり、これを使うことができないかと、令和6年6月、国土交通省に申し上げたところ、近く、取手市と利根川上流河川事務所との協議が始まると聞いている。

次に、施設完成時に見込まれる交通渋滞の解消だ。
取手市に日本最大のショッピングテーマパークができるとなると、まずは周辺道路の渋滞が予想される。
加えて、県南地域全体の活性化を図るためには、増加する交流人口を、龍ヶ崎市や牛久市方面にも回遊させる工夫も必要になる。
そのために欠かせないのが道路整備だ。
取手市は、常磐道からのアクセスが必ずしも良くない。そこで、守谷サービスエリアを利用したスマートインターを整備すれば、相当な時間短縮になる。詳しくは別のコラムで述べるが、令和12年のスマートインター開通に向け、現在国土交通省と密接な連携を図っている。
また、国道6号のバイパス整備も喫緊の課題だ。
私としても、既に用地買収済みの取手・藤代バイパスの4車線化及び牛久市城中以北の牛久・土浦バイパスの早急な事業開始を、引き続き国に働きかけていかなければならない。

県南地域の未来のために、ようやく動き始めたプロジェクトを大切にしていきたいものだ。