国政選挙いつから可能になるのか~今は市民の皆様の率直な声を聞き力を蓄えるとき
2011-6-13
このホームページでも折に触れて述べているが、震災後、私は、市民の声を聞く活動に重点を置いている。震災後3か月、政府の震災対応の余りの遅さ、ひどさに、国民の政治不信は極限まで高まっている。
だからこそ、市民の生の声をしっかり聞き、震災対応に一定のメドがつく時期にくるであろう「強い政権」造りのための決戦のときのために、国民目線の誠実な政治を実現するための力を蓄えていく覚悟で、まさに今、実践をしているところだ。
そして、多くの質問も受ける。
「今は協力すべき時期としても、いつ頃になったら国政選挙ができるようになるのですか。その見通しはどうなのですか。」という問いもその一つだ。
実際、国政レベルの選挙は、いつ頃になったら可能になるのだろうか。「福島原発事故の収束」をメドとするという意見もある。
ただ、正確な情報がないので何とも言えないが、報道を見る限り、今の民主党政権の下で、そもそも「福島原発事故の収束」ができるのかどうかはなはだ心許ないし、「収束」という言葉の解釈の仕方によっては、それこそ向こう数年間から十年間も、国政選挙ができないことにもなりかねない。
それまでの間、国民の民意を問わないまま、被災者そっちのけで、「ペテン師」や「ルーピー」といった罵り合いを繰り広げているようでは、それこそ日本は終わりだ。
しかし、物理的制約により、今すぐに国政選挙を行うことができないことも事実だ。
なぜなら、被災地では「選挙人名簿」が散逸してしまい、投票人の確定ができないし、そもそも、投票所が流されてしまったところも多い。
これでは、たとえ総理大臣が「衆議院の解散権」を発動したとしても、多くの自治体で選挙を執行することができず、明らかに、法の下の平等に反する。
ただ、「国政レベルの選挙が可能になる時期」について、法律的に既に答えが出ているということは、余り知られていない。
本年は統一地方選挙の年に当たり、4月10日に、岩手・宮城・福島の3県でも、県議会議員選挙が行われることとなっていた。
ただ、東日本大震災の被害は極めて深刻で、多くの自治体が壊滅的な打撃を受けたため、とても期日通り県議会議員選挙を執行できる状況にはなかった。
このため、与野党が協議し、選挙期日を最長6か月延長することとしたわけだ。
ただ、議員の任期は4年間で、これを震災があったからといって、選挙の洗礼を受けないままやみくもに延長するのは、民主主義の大原則に反する。
このため、被災地の自治体には、まことに申し訳ないけれども、選挙期日の再延長はせず、何とか6か月の延長期間内で、選挙人名簿の再整備等をお願いすることとなった。
岩手・宮城・福島3県の県議会議員選挙の期日は、政令で定めることとされ、未だ具体的に決定されていないが、遅くとも9月中旬までに執行される。
そして、それ以降、物理的に、国政選挙の実施が可能になる。
原発の問題がその時点でどうなっているのか極めて不透明だが、いかに、「うまい・早い」ならぬ「まずい・遅い」民主党政権であっても、野党の協力を得て、震災復旧のための補正予算などの施策を打ち出していることを期待したい。
そして、わが国が、「復旧」から「復興」に踏み出すに当たっては、例えば自衛隊をどう位置づけるのか、国と地方の関係をどうすべきか、エネルギー政策をどう考えるべきか、今の民主党政権の「思いつきの議論」でなく、「哲学」の議論が必要になる。
当然、今後の政権のあり方を根本的に変えていかなければなるまい。
私も、その時点で、しっかりしたビジョンを示すことができるよう、市民の皆様の率直な声を聞きながら、力を蓄えていきたい。