政権交代半年でこの体たらく~ボロボロの民主党と迫力不足の自民党

2010-3-2

昨年2月の予算委質疑を伝える記事

本年度予算案が衆院を通過した今日、昨年の資料を整理していたら、昨年2月の予算委員会の詳報記事が出てきた。
見出しは、「天下り根絶できるか細野氏(民主)、『すぐゼロ』約束無理首相(麻生首相・当時)」というもの、見出しの下に苦渋に満ちた麻生首相(当時)の答弁の様子が掲載されていた。
自民党政権は官僚に頼り切っており、民主党政権になればすぐにでも天下りの根絶が可能のような印象の見出しだ。
政権交代後半年、「天下りの根絶」は達成できたのだろうか。
民主党に言わせれば、「達成できた」ということらしい。

すなわち、日本郵政株式会社の社長に就任した元大蔵次官も、同社の副社長に就任した元内閣官房副長官補も、彼らに言わせれば、「優秀な人材」であるため、「天下り」ではないということだ。
元官僚の再就職も、時の政権が「天下りでない」と判定しさえすれば「天下りでなくなる」ならば、「天下りの根絶」などたやすい。麻生首相(当時)もヒトが良すぎた。
民主党流に、「すぐ根絶します」と答弁すれば良かったのに。
そして、政権交代後半年、今挙げたような例のオンパレードのような気がする。政権交代後半年を経過して、世の中は一向に明るくならない。

「税金のムダ遣い一掃」のため、鳴り物入りで導入された「事業仕分け」も、税金の使途のオープン化という一定の役割は果たしたものの、最近では、財務省のシナリオに乗った政治ショーとしての意味合いが強かったことが明らかになりつつある。
何よりも、「こども手当の財源を確保するためには、何も世界1を目指さなくても良い」という考え方はいただけない。
今回の冬季五輪、わが国は、1つの金メダルも獲得することができなかったが、このような考え方が蔓延すれば、オリンピックを目指そうという子どもに冷や水を浴びせ、やがてわが国は、銅メダルさえも獲得できなくなってしまうだろう。

そして、目先のバラマキの予算を確保するため、国のバックアップで、科学技術NO1を目指すことを止める一方、中国・韓国と熾烈な競争を行っている民間企業には、これらの国よりはるかに厳しい温室効果ガス25%削減の目標を設定することは、日本の産業を意図的に空洞化させる危険性も孕んでいる。

さらに、この「事業仕分け」も、「教員の給与には触るな」という「天の声」があったらしく、教員や国会議員の給与には一切手を付けず終いという中途半端なもので、結局、当初の目論見の3分の1以下の6000億円の財源を捻出するのがやっとだった。

民主党は、総選挙前は、「税金のムダを一掃すればマニフェストに掲げた新規施策は実行できる」と胸を張っていたが、昨年秋の段階で、その主張は破綻してしまったわけだ。

とすると、あとは借金しかない。
だから、今日衆議院を通過した平成22年度予算案は、昨年度の予算案での国債発行額を、13兆円も上回り、史上初めて、新規国債発行額が税収を上回るという「借金漬け」予算となってしまった。

これで「子ども手当」を貰って、本当に国民はうれしいのだろうか。
「手当」とは名ばかりで、その原資は結局は後で子どもの世代が返済しなければならない借金だ。
言ってみれば、中学生までの子どもたちは、毎月1万3千円、来年以降は毎月2万6千円の借金を背負わされ、大人になったら返さなければならなくなるわけだ。
こんなお金、親は本当に安心して使えるだろうか。

このように、事業仕分け、国債増発という一連の動きを見ても、民主党政権のやっていることは、私には、日本の国を意図的に衰退させているようにしか思えない。
私は今、地元で、愚直に政治活動を続けているが、もとより私自身の当落のことも心配でないと言えばうそになるが、それよりも、現政権のありさまを見るにつけ、日本の将来のこと、私たちの子どもの世代のことが心配だ。
今の政策では、「いのちを守る」ことなど到底できない。

ただ、これを追及するはずの自民党、迫力不足と、将来へのビジョン不足は否めない。

自民党の新綱領を作ったというが、今になっても、その肉付けができていない。
衆議院段階の予算委員会質疑を見ても、現政権の政策の危険性を、国民に分かりやすく説明し、今後の日本の進むべき方向性を打ち出すことに、お世辞にも成功したとは言えない。

このような理論の面だけでなく、情の面も弱い。
すなわち、現政権の政策が、わが国の将来に禍根を残すという危機感が薄い。
そして、「お手並み拝見」で「敵失を待つ」姿勢では、国民が民主党を見放したとしても、国民の支持を得ることはできない。
やはり、しっかりした危機感を持ち、政策論争で、警鐘を鳴らし、攻め立てる姿勢が必要だ。

私も、現在は野にあるが、今後も、このホームページを活用し、情報の発信と政策の解説を行うとともに、何としても、今の自民党を造りかえるため、舛添カレッジへの参画などを通じ、選挙区支部長として、できることを全てやっていきたい。