舛添「政治カレッジ」開く~保守新生のための情報発信を

2009-12-15

舛添「政治カレッジ」開く

12月14日、久し振りに永田町の自民党本部へ。
この日、舛添要一・前厚生労働大臣の呼びかけで、先の選挙で苦杯をなめた若手候補者約20人が集い、「舛添政治カレッジ」の初回会合が開かれた。
初挑戦組、当選1回組と当選2回組の中で、舛添氏が選抜したメンバーが集まったわけだが、舛添氏は、「次期選挙でこのメンバーの当選ができなければ、保守の新生はない」との考えから、声をかけたとのことだ。
この日の初回会合では、参加者がそれぞれ、現在の自民党に対する危機感について語るとともに、今後、積極的な情報発信を行うため、勉強を進めていくこととなった。
私自身、今の政治の状況について、大変な危惧の念を抱いている。

この日は、私も持論を展開した。民主党政権ができて3月が経過、マスコミの評価は、選挙前にあれだけ民主党を持ち上げた責任を感じてか、まだまだ甘いような気がするが、正直なところ、大きなほころびが見えつつある。

「世界の中で最も重要な2国間関係」と言われる日米同盟関係は、普天間の問題、インド洋給油中止問題など、日本側の事情で、急速に冷却化している。
また、後述するが、私自身、数年前から、「事業仕分け」的手法で行政改革を推進してきたが、民主党が進める「劇場型事業仕分け」は、デフレを加速する副作用を持ち、経済が心配だ。
しかも最近は、「政権交代すれば天皇陛下の外国要人との接遇の仕方も自ずから変わってくる」などという発言が平気で与党幹部から飛び出し、しかも、天皇陛下を政治利用したと思われるような事態も出来している。
これでは日本が心配だ。

ただ、これだけのほころびや危険性が見えているにもかかわらず、世間の自民党待望論は、残念ながらわき上がってこない。
2大政党制という以上、自民党が、早急に、矛盾を露呈しつつある民主党政権に代わる受け皿となり得るよう、しっかりと保守を新生させることが肝要だ。
そうでなければ、わが国政治の閉塞状況を打開することはできない。

ただ、今の自民党を見ると、落選した私の目からしても、大いに心配な点が多々ある。

まず、党本部から危機感が伝わって来ない。

来年の参議院選挙、次期の衆議院選挙は、言うまでもなく、自民党の生き残りをかけた極めて重要な戦いだ。
だからこそ、相当な気迫をもって、従来の枠にとらわれない清新な候補者をそろえなければならないにもかかわらず、その気迫が、まだまだ現場に伝わってこない。

また、自民党は、民主党の失点を生かし切れていない。

民主党という政党は、旧社会党系の方も多く、外交安保問題は、昔からアキレス腱だ。
さらに、労働組合を支持母体としている方も多く、伝統的に、成長戦略よりもバラマキを重視する面がある。
ところが、現在多くのマスコミは、現在の連立政権が犯しつつある外交政策の失敗は社民党のせい、経済政策の失敗は国民新党のせいにしたがり、実は民主党自体にその原因があるにもかかわらず、「民主党は悪くない」という構図を描こうとしているかに見える。
自民党は既に野党だ。
この構図を打ち破るしたたかさと、攻撃力を持たなければ、政権奪還はおぼつかない。

私は、党本部の尻をたたく意味からも、舛添カレッジが開かれたのは、意義のあることだと思う。
我々再起を期す軍団が、地元を這いつくばりながら、時折集まって情報交換と勉強を重ね、保守を新生させる気迫をとぎすますとともに、現政権の政策の矛盾と危険性を国民に発信する、1つの力となっていきたいものだ。