予算委員会質疑が全国にTV中継(1)~政治・行政がエリを正すことが必要

2009-5-25

TV中継された予算委員会代表質問

5月7日の衆議院予算委員会。
史上最大規模の平成21年度補正予算に関する基本的質疑で、私は、自民党を代表して質問に立ち、その模様は全国にテレビ中継された。
自民党からの質問者は、補正予算を取りまとめた町村信孝・前官房長官(当選8回)及び園田博之・党政調会長代理(当選7回)、さらに伊藤公介・元国土庁長官(当選9回)、そして、衆議院当選2回の私の計4名。
しかも、私は、昨年10月、本年1月に引き続いてのTV中継入り予算委員会代表質問の大舞台に起用されたわけで、期待の大きさに、身の引き締まる思いだ。
さて、至上最大の今回の15兆円・補正予算は、景気の底割れを防ぐため、一刻も早く成立させなければならない。
ただ、この予算の効果を見込んでも世界経済減速の影響は深刻で、本年のわが国の経済成長は、マイナス3%超と予測されている。

こんな環境の中、わが国が世界同時不況から最初に立ち上がるためには、我々政治家は、国民が、心を1つにして難局に対処できる環境を作り、国民の勇気を盛り上げていくことが大切と思う。
そのためには政治と行政がエリを正すことが重要で、この日は、このような観点からの質疑を行った。この日、20分という限られた時間の中で、私が主張したのは、
○政治家は、自らエリを正そう。
○公務員は、民間と痛みを分かち合おう。
○国民に対する背信行為を行った公務員にケジメをつけよう。
という3つの点だ。
順次具体的内容について触れよう。

まず第1に、政治家が、自らエリを正すべきと言うこと。
私は、「票にもならないのに」と揶揄されながら、党行政改革本部の作業に相当な精力を注ぎ、税金の無駄撲滅に取り組んできた。
だからこそ、野党の皆さんの、「政権交代をすれば歳出カットは簡単」という主張は、明かなマユツバと思うのだが、少なくとも1つ言えることは、政治主導で行政改革を行う以上、政治家自身が、税金を流用したと受け取られかねない行為をしているようでは、行政に歳出カットを命令しても、極めて迫力に欠けるということだ。
実は、政党活動には、国民1人当たり250円という血税が、「政党助成金」として、国庫から政党に対して交付されている(年間約320億円)。
これらは、政党の政治活動や所属候補者の選挙資金に支出されるが、その政党が解散を決定した場合には、政治活動に支出できる理由が消滅するわけで、だからこそ、現行政党助成法は、政党解散時の残金を国庫に返納すべきことを、政党に義務づけている。
ところが過去に、その残金を他の政治団体に移し換え、「返納逃れ」ではないかと指摘されるケースが散見された。
これについては、今まで、平成15年9月26日、自由党(小沢一郎代表)の解党当日、約5億6千万円の税金が、小沢氏の関連政治団体に寄附されたケースが報道されてきたが、私が官報で調べたところ、過去のケースに遡れば、どうも他にもあるようだ。

わが党としても、法律に違反していないとはいえ、今後は、このような「税金流用」とも受け取られない行為はやめようということで、自公両党で協議を行い、与党・政党助成金の返納逃れ行為の防止に関するPTを立ち上げ、私が座長代理に就いたのが去る4月8日、そして、4月30日には、政党助成法の改正案を衆議院に提出する運びとなった。
その内容は、政党が解散を決定した後は、選挙に関するものを除き、政党助成金を充てた寄付行為を禁止することとし、さらに、過去にこのような行為がなされていた場合については、もとより強制的に返納させることはできないが、政治家の良心に従い、国庫に返納しやすくしようという内容だ。
この日の質疑では、政治家の責任として、与野党が協力して、この法案の成立を期し、国民の政治に対する信頼を、少しでも回復させたいということを訴えた。

ただ、民主党にとっては、痛いところを突かれたことは間違いないようだ。
実は、予算委員会での私の席は、民主党最高顧問の渡部恒三氏だ。席が隣り合わせのため、委員会室では、良く世間話をしているが、私の質問が終わった後、「君が質問した政党助成金の返納逃れについてもう少し教えてくれ」という。
私が、政党助成金が、原資が税金で、本来は国庫に返さねばならないお金であることを説明すると、渡部氏は、「それは西松建設とは明らかに違う。小沢君も、公の場でそのことを問われたら苦しいな。」と言われていた。
直接の関係はないと思うが、民主党の小沢代表が辞意を表明したのは、私の質問の翌週の5月11日だった。