自由民主党総裁選挙を語る~私が安倍晋三候補を支援する理由
2006-9-19
9月8日に告示された自民党の総裁選挙は、いよいよ明日投開票が行われ、第21代自由民主党総裁、すなわち、次の内閣総理大臣が誕生する。私自身は、6月に発足した再チャレンジ議員連盟(安倍候補の支援母体)に参加、さらに8月23日には、地元議員として安倍候補に同行、自民党茨城県支部連合会(党員票が全国2位)に支持を要請するなど、総裁選の告示前から、安倍候補陣営で活動してきた。
ただ、9月に入り、コラムの更新をしなかったのは、総裁選挙に時間をとられてしまったという理由だけではない。
実は、私が条文を書き、この6月に成立した探偵業法(議員立法)についての解説書執筆を求める声があり、臨時国会招集前には仕上げる必要があったため、このところ、昼間は総裁選挙関係の活動、夜は執筆活動(何とか原稿用紙400枚ほどの本を仕上げた)といった毎日で、私自身に時間的余裕がなかったためだ。
そして、今日までに、総裁選の活動や執筆活動がやっと一段落、有楽町での総裁選街頭演説から帰宅して書く久しぶりのコラムでは、私が何故安倍晋三候補を支持することとしたか述べてみよう。その理由は、「改革に後戻りは許されない」ということに尽きる。
今年に入り、マスコミでは、格差社会の問題が大きく取り上げられているが、その際、「格差が固定化するのは」、「改革のカゲ」であるという言い方をされることがある。
また、これまでの構造改革路線が、ホリエモン、村上ファンドなどの、違法行為により巨万の富を蓄財する虚業家を生み出す風潮を助長しているかのような言い方をされることもある。
そして、だから構造改革を見直せという論調があるのは、ご案内の通りだ。
しかし、この数年進めてきた構造改革をさらに進めれば、格差の拡大や、虚業家の拡大再生産を、必然的に加速させるさせることとなるのだろうか。
私は、そうは考えていない。
もとより私は、格差や虚業家の問題を軽視しているわけではない。
ただ、構造改革路線に異を唱える方々とは、その解決の方策についての考え方が違うということだ。
いわゆる「負け組」と称される人達には、「努力しさえすれば」という希望を与えなければなるまい。
その解決策は、改革を進めることにより、われわれは、勝ち負けを固定化することなく、一旦負けても、国民に対し、多くの機会を提供することのできる社会を作っていくことだと思う。
また、持続可能な競争社会を作るためには、「自由な競争」に加え、「公正な競争」を実現しなければなるまい。
その解決策は、競争のルールと企業の社会的責任を明確にし、違法行為により巨万の富を蓄財する虚業家に対しては、即刻市場から退場してもらい、厳しいルールを課していくことが必要だ。
その意味で、私は、構造改革路線をより一層進め、現在なお未完成である改革を完成させることにより、希望と公正さに満ちた社会を作ることこそが大切だと考えている。
しかも、最近の民主党代表などの言動を見ると、もとより選挙目当ては見え見えではあるが、格差の問題や虚業家の問題に対処するためには、大幅な財政出動を主張するかと思えば、同じ口から大幅な減税を主張するなど、大きな政府、借金路線、「努力しなくとも報われる社会」を目指しているような印象を持たざるを得ない。
このように、今、民主党は、詐欺的とも言える主張で、構造改革路線の大幅修正を求め始めている。
責任政党である自民党として、このような民主党の「大幅修正路線」と明確に対峙し、これを否定していくためには、私は、「構造改革の修正」を訴える候補でなく、この数年の構造改革路線をしっかりと評価し、これを継承・完成させていくことを訴える候補の方が、総裁として、より望ましいと考えている。
わが国の再生は、いまだ道半ばだ。ここで改革の手綱をゆるめることは許されまい。
勿論、北朝鮮人権法策定の過程で何回も説明に伺ったご縁などもあるが、私は、以上の理由により、今回の総裁選挙で、安倍晋三候補を支援することとしたわけだ。
新たな政権に課せられた課題は大きい。
総裁選における1票も大切だが、新政権発足後、どのように改革路線を支えていくかということの方が、より重要だ。
私も、気を引き締めて、秋の臨時国会に臨んでいきたい。