執念深く「公務員給与改革」~これからの改革プランを語る
2005-7-12
日本人は、「熱しやすく冷めやすい」というが、政治家という人種は、特にそうかも知れない。
ただ、大きな改革を成し遂げるためには、地道な研究の積み上げと、執念深さも必要だ。
だから、小泉総理の郵政改革に懸ける長年の執念には、賛成・反対派、好き嫌いを問わず、やはり私は見習うべきと思う。
さて、私たち「公務員給与改革断行を求める若手議員の会」も、5月25日、その小泉総理本人に対し、緊急提言を行った。そして、そのひそみに倣うわけではないが、この問題、やっぱり執念深くやっていこうと思っている。
私は、7月1日に放映されたTBS・JNNニュースバード「国会トークフロントライン」に出演、川戸恵子解説委員との対談し、5月の緊急提言後の取り組みについて、私自身のプランを語った。
公務員給与の問題点については、これまでのコラムや、緊急提言にも書いてきたが、やはり費用対効果の意識が徹底されていないということがある。
ただ、これはある意味で当たり前ともいえる。
すなわち、「使用者側」が自分の財布や稼ぎから給与を支払うわけではないし、人事担当のキャリアにしてみれば、むしろ財務省などから、予算(この場合は人件費や定員の増)を分捕ってくれば、自分の手柄となる。
組合は拍手喝采、でもこれでコスト拡大の歯止めが利くはずがない。
だから、地方公務員レベルだが、大阪市では、バス運転手の年収1600万円、清掃職員は1300万円(もちろん最高額だが)ということが起こる。
そこで、本年5月の総理への提言では、人事院勧告制度や現行評価制度の枠内でもできることは相当あるはずという認識で、人事院や関係各省庁に対し、8月の人事院勧告も睨みながら、緊急の改革を求めた。
でも勝負はこれから。
8月の人事院勧告後は、さらに次のステップに進まなければならない。
まず、10月から11月にも見込まれる、政府・経済財政諮問会議の「公務員総人件費の純減目標策定」に向けてのアクション。
学者の議論も大事だが、この目標に、「公務員の現場の実状」と、「国民の率直な声」をどう取り入れ、いかに実のあるものとしていくかは、政治家としての責任だ。
そのときまでには公表されている人事院勧告も踏まえ、我々議員の会としても、今までの研究成果をいかし、「総人件費の純減目標」のあり方についてのスタンスを明確にし、各方面に発信していかなければならない。
そしてさらに次の段階がある。
私は、本来の行政改革は、単に毎年いくらの人件費や定員を削るというお金の問題も大事だが、「費用対効果」の原則を、将来にわたり、いかに制度的に担保し、かつ、国民に向けた透明性をどう確保するかということも大切と考えている。
その意味で、現行公務員給与制度は矛盾だらけだ。
給与が右肩上がりの時代は、「民間に合わせて上げてやろう」という人事院勧告制度もそれなりに機能していたが、今や、民間給与は、横這い・能力給の時代。
しかも、勧告制度の処理は、国民から見えにくい。だから不信も募る。
かといって各省庁に労使交渉を任せたら、先にも述べた人事担当者の体質からすると、「人件費水ぶくれ」を招くだけ。
やはり、国民の代表者としての政治家がしっかりしなければならない。
個人的には、国民の声を背景とした、政治公務員たる「コストカッター」(多分国務大臣?)と、公務労働者の利益を背景とした団体が、正面から向き合い、「費用対効果」の観点から、どの程度の給与水準、定員の水準、定年の水準、再就職の水準が妥当なのか、国民の目に見えるようにしていくことも必要と思う。
そして、この場合は、ポスト人事院(国)・人事委員会(地方)の組織のあり方や、公務労働者にどの程度の労働基本権(協約締結権やスト権)を付与するかということも、当然問題となる。
勿論私なりの構想はあるが、来春頃を目標に、このような論点について、同僚議員との議論を深め、骨太のとりまとめを行い、是非、公務員制度改革の中の、1つの流れとしていきたいものだ。
この改革は、国民もしっかりと受け止めてくれる大改革になるはずだ。
私は、若手議員の中から、そのうねりを作っていきたいと考えている。
いずれにせよ、私自身は、(ハプニング解散さえなければ、)「継続は力なり」で、執念深く、かつ、パワフルに、この問題に取り組んでいきたい。