探偵業新法案~「政治主導・若手主導」の新スタイル立法
2005-5-10
今日の話題は探偵業新法の法案。
すでに、去る4月27日には、自民党の政調審議会・総務会でも立法化の承認をいただいており、いよいよ、会期中成立を目指すことになる。
私がプロジェクトチームに関わった議員立法は、初当選以来の1年半で、昨年の通常国会の児童ポルノ禁止法改正(参院で提案者として答弁)、先の臨時国会及び今通常国会でのオレオレ詐欺対策2法、さらに北朝鮮人権法案に続き5本目。
ただ、条文数20条を越える新法を書き下ろすのは勿論初めて。
しかも、今回の法律案は、「政治主導・若手主導」の新しいスタイルの議員立法といえる。第1は、「政と官」の関係で、完全な政治主導ということ。
探偵業という業態、そもそも、個人情報の保護に密接に関わり、法規制には政治的判断が必要だ。
ただ、法律は、国民の権利義務に直接関わるものであるだけに、あらゆるケースを想定して、しっかりと詰めていくことが必要。
しかも、1500以上ある現在の法律の体系と、整合性をとっていかなければならない。
だから、面倒くさい議員立法は、実は敬遠される傾向が強い。
敬遠しなくとも、面倒くさいからといって、原案を役所に書いてもらうと、他官庁との縄張り争いが面倒な案件は、議員をたきつけて立法し、権限を増やそうという不埒な官僚が出て来かねない。
さらに、野党が提出してくる議員立法は、成立の見込みを度外視しいるから、穴が多い上、パフォーマンスねらいの傾向がある。
これでは、与野党とも、いつまでたっても「政治主導」は実現しない。
面倒くささをいとわない仲間を、広げなければならない。
今回、党内において、原案を自分で書き、同僚議員の意見も聞きながら、衆議院法制局や役所と調整をとり、ほとんど1人で徹夜をしながら、条文を仕上げたのも、そんな決意から来たものだ。
勿論、かつて法律改正や予算編成に携わった経験は大いに役に立った。
ただ、政治家として立法の中心に立ってみると、役所の桎梏がない分、以前よりも自由な発想が可能になったような気がする。
是非定着させていきたいが、この方式なら役所に騙されるおそれもない反面、細かな法律知識が求めら、実は結構しんどい。
だから、議員の側にも、もう少しスタッフが欲しいなとは思う。
第2は、党内力学の中で、完全な若手主導ということ。
私は、先の政審・総務会で、「内閣部会調査業に関するワーキングチーム事務局長」として、法案の説明役となった。
しかし、これは、1回生としてはほとんど前例がない。
実は、自民党政務調査会の部会に設置されるワーキングチームの事務局長は、政務調査会の役付(当選2回生以上)という決まりがある。
ただ、この法律案、担当する内閣部会の幹部の中で、「専門性が必要で、1回生だが、葉梨君しかいない。」ということになった。
そこで、部会長(当時)の山本拓衆院議員が、「政務調査会でなく、組織本部の方では、団体副委員長という役職についているはず(1回生は、必ず何らかの委員会の副委員長になる。)なので、これを利用しよう。」と発案。
かくして、私を事務局長にするために、「政務調査会内閣部会・組織本部生活安全関係団体委員会合同・調査業に関するワーキングチーム」という、何とも長い名のWTが発足した次第。
裏ワザではあるが、光栄なことだ。
今の自民党には、やる気と能力さえあれば、先例を曲げてでも若手を生かしていこうという柔軟さがある。
これに応えるためにも、私も、もっと発言し、活動していこう。
このような、政治主導、そして、若手主導の流れを、自民党の中で、是非大きなものとしていきたいものだ(なお、探偵業新法案の条文は、「政策」の部屋の「政策レポート」にアップ)。